多様体
ドラームコホモロジー群については将来別の本で勉強することにして先に進む。m次元多様体の最高次の微分形式、m次微分形式ωのM上での積分が定義できる。 細かい条件をはぶいていえば、M上のm次微分形式ωが と局所座標表示されているとき、 と定義される。右…
kを一つ決めて上の系列から一部取り出してみる: ここでは同じdだがどちらのdであるか分かるように区別してみた。 前にみたように が成立している。したがって を任意にとると、だから、 である。通常 という記号を使う。 は の部分ベクトル空間となるので、…
M上の級 k次微分形式全体を という記号で表す。k=0のときは M上の級関数のこととしておく。 k次微分形式ωの外微分dωは k+1次微分形式であったので、 そこで d を の写像と思える。 k=0 のときは関数 f の微分 df を f の外微分であるとしておく。そうすると…
§20に入る。 まず微分形式ωの外微分 dω が座標系に依存した形で定義される。 M を級多様体、を M 上の k次微分形式とし、座標近傍上でを局所座標表示したものが であるとき、ωの外微分 dωは以下で定義される k+1次微分形式のこと。 これが座標系に依存しない…
外積と行列式 をV上の1次形式、として、の外積を計算してみると、 となる。 微分形式の外積 多様体M上のk次微分形式とl次微分形式の外積は、 という対応として定義される。 はk+l次微分形式となる。 その他 多様体M上のk次微分形式とl次微分形式に対して を…
二つの微分形式から新しい微分形式を作る演算。 微分形式の外積の定義の前に、一般のベクトル空間上の交代形式の外積が定義される。ωを上のk次交代形式、ηをV上のl次交代形式としたとき、ωとηの外積とは V上の(k+l)次交代形式で以下のように定義され、と書く…
V をベクトル空間とする。そのk個の直積上の関数 が各について線型であり、さらに交代性 の性質を持っているとき、ωを V上の k次交代形式という。 ここでσは 1〜kまでの数字の置換で、k次対称群の任意の元である。 V上のk次交代形式の全体を という記号で表…
微分形式に入る前にもう一つの話題。 多様体 M 上の 2次の対称テンソル場 ω について考える。 ω は M の各点 p に対して 上で実数値をとる 2次形式 を対応させる対応である。 M の p を含む座標近傍 をとると、 の基底として が取れるので、 と表される。上…
多様体M上のk次形式まで進んだが、微分形式に進む前に、テキストではリーマン多様体というものが考察される。 M上のk次形式で、任意の置換σにたいして を満たすものを k次対称形式という。 とくにk=2のときについて。多様体M上の2次の共変対称テンソル場ωで…
§19に入る。1次微分形式の復習をしながらk次微分形式のお勉強。 1次微分形式は 上の1次形式であったが、k次微分形式は単純に上のk次線型形式であるわけではないらしい。多様体Mの各元pにM上のk次線型形式を対応させる対応を k次共変テンソル場と呼ぶそうだ。…
§18 読了。 新しい概念がたくさん出てきて慣れるのに時間がかかった。
松本「多様体の基礎」第6章 §18 1次微分形式に入る。級多様体 M の点 p における接空間 の双対空間を という記号で表して、これを M の p における余接ベクトル空間という。 M の各元 p に の元 を対応させる写像 を M 上の 1次微分形式というそうだ。最初に…
§17の補足として Lie微分というものが載っている。 X を多様体 M 上のベクトル場とする。M 上の関数 f の Xに関するLie微分とは、f を X に付随する 1パラメータ変換群 が作る曲線に沿って f を t で微分したもの。と書く。実は である。M 上のベクトル場Y …
少し間があいてしまったが、§17のつづき。 p251から「応用」として、次の定理17.8 が掲げられている。 M: m次元級多様体 : 級固有写像 とする。固有写像とは、コンパクト集合の逆像がコンパクトであるような写像のことだそうだ。 f が臨界点を持たなければ、…
松本「多様体の基礎」§17「積分曲線」の読書メモ。以降 M を m次元級多様体、X を M の 級ベクトル場とする。 M の 級ベクトル場全体を と表す。 について が成立するとき、 が X の積分曲線であるという。 c, X の局所座標表示を, ()とすると、関数 は微分…
常微分方程式の解の存在と一意性について勉強する必要あり。
点 における任意の接ベクトルの、の基底に関する成分がであったとする。に対して、 であったから、ベクトル空間の内積を使って、 と表せる。 は f の p方向の方向微分であった。そこで、が一定であるような集合の上では は 0 になる。このとき、 と は直交す…
誤解していた箇所をいくつか訂正(2/4)。 に対しの元を対応させる写像がのベクトル場。 の元は、 を用いて と表せる。 を上の級関数とすると、 により、以下のようなのベクトル場が定義できる。 を X で写したものは、 となる。 このベクトル場をの勾配といい…
2つの多様体間の微分同相写像とその微分、ベクトル場、M上の関数の空間などがごっちゃになり混乱中。整理してみよう。M,N を級多様体、 を級微分同相写像とする。 M に関係して 接空間 級ベクトル場 M上の級関数の空間 が出てくる。これらの間にいろいろな関…
第4章 §16「ベクトル場」に入る。 多様体のベクトル場の定義と基本的な公式(線型性、座標変換など)の確認まで。級関数を微分すると 級になり扱いにくくなるので、これ以降は級関数のみ扱うという。 ここまでで重要そうと思ったのは補題16.4(p229)。すなわ…
§15の後半は、臨界値の集合があまり多くないという Sardの定理の紹介。証明はないので斜め読みで飛ばして節末の演習問題に入った。 7元連立1次方程式を解かなければならない問題があって難しかく、やっと解けた。
が onto であるということは、ヤコビ行列 の rank が n = dim N に等しいということなので、ある点 p∈M が正則点であるか臨界点であるかを調べるには、具体的に の rank を求めればよい。臨界点とは高校の微分でも出てくる極値に相当するものらしい。N の点…
一週間ぶりに多様体のお勉強に戻る。続いては、松本「多様体の基礎」§15「正則点と臨界点」。M, N をそれぞれ m次元、n次元の 級多様体、 を 級写像とする。 写像 f の正則点とは、 が上への線型写像になるような M の点 p のことをいうそうだ。正則点でない…
「多様体の基礎」§14「1の分割」をやっと読み終えた。 証明がやたらに長いのと、局所有限というのがなかなかイメージがつかめなくて大変だった。 演習問題もだんだん難しくなっている。 なれてくるととっても便利なツールであるというのがだんだんわかって…
松本「多様体の基礎」。つづいて§14「1の分割」に入る。 「1の分割」という名前はいろいろな分野で昔から見た記憶があるが、はたしてこれが何者なのか。
§13に入った。前半は位相空間論の基本的な定理のおさらい。 その後「埋め込み定理」の証明に使う関数についての命題が続く。 なんかこの関数は Urysohnの補題に出てくる連続関数と雰囲気が似ている。Urysohnの補題は正規空間について成立する。 埋め込み定理…
いろいろな具体例が出てくる演習問題をやっているがなかなか難しい。 A は B の 部分多様体となっていることを示せ。 というタイプの問題。 とくに A や B が の部分集合の場合、元々に入っている自然な座標にまどわされ混乱してしまう。 たくさん演習やって…
ようやく§12「はめ込みと埋め込み」の最後まで来た。 演習問題も少しずつ難しくなってくる。 とはいえ、定義と過去になった定理を読み直しながらやれば何とかできるのだが、どうも新しい概念や定理が成り立つ条件が記憶しにくい。慣れればピンと来るようにな…
の場合のはめ込みの例が多数テキストに出ており、なんとなくはめ込みが何を意味しているのかわかるようになった。 この場合が1:1 であるということは、2次元平面上にグラフとしてfを書くと、とんがっているところがない、すなわちどこでも微分可能ということ…
松本「多様体の基礎」第4章「はめ込みと埋め込み」に入る。 まず「はめ込み」。なんだろこれは。 「はめ込み」とは多様体間の写像に対する言葉である。 M, N がそれぞれ 級多様体のとき、 がはめ込みであるとは、 M の任意の点 p において、 が 1:1 の線型…