2012-01-01から1年間の記事一覧

リーマンの関係式(2)

リーマンの関係式(ii) とおくと、はエルミート行列で、 (正定値) エルミート行列Hが正定値であることを示すには、 に対して を示せばよい。 したがって の成分をと表すことにすれば、 となる。よって とおけば、 となる。つづく

リーマンの関係式

Rを種数gのコンパクトリーマン面とする。 をRの標準ホモロジー基底、 をR上の一次独立な正則微分の組とする。 とおく。を周期行列と呼ぶ。 とおく。 リーマンの関係式(i) リーマンの関係式(ii) とおくと、はエルミート行列で、 (正定値) この証明に手間取っ…

Abelの定理(2)

一昨日の続き。 命題2 上では 命題2は容易に示せる。 命題2が成立すると、ディリクレの原理が使えて、と同じ特異性を持つコンパクトリーマン面上の調和1形式が存在することがわかる。小平「複素解析III」の第6章定理6.19によれば、 は と同じ特異性を持つ 上…

R言語による等角写像のグラフ化

R言語は複素数型を扱えるので、複素解析のお勉強に大変便利である。 とおくと、で定義される写像は、単位円を単位円に写す。 昨日定義した上の写像hは、単位円を単位円に写すらしいが、本当かどうかR言語で確認してみる。まず w = h(z)を定義。 #等角写像 w …

Abelの定理

をコンパクトリーマン面とする。 定理 上の任意の2点に対して、上を除いて正則で、において1位の極を持つ第3種Abel微分が存在する。 PとQがRの一つの局所座標円板内にある場合 まずが上の一つの局所座標円盤 内にある場合の上の定理の証明を考える。 局所パ…

再開

かなりの長い間ごぶさたしていました。 現在、岩波書店「複素解析III」(小平邦彦)の第8章「閉Riemann面上の解析関数」§8.4「Abelの定理」を読んでいます。 読書メモを少しずつ再開したいと思います。