k次微分形式(2)
V をベクトル空間とする。そのk個の直積上の関数
が各について線型であり、さらに交代性
の性質を持っているとき、ωを V上の k次交代形式という。
ここでσは 1〜kまでの数字の置換で、k次対称群の任意の元である。
V上のk次交代形式の全体を
という記号で表す。
多様体 M 上の k次微分形式とは、Mの各元p に対し M のpにおける接空間 上のk次交代形式
を対応させる対応として定義される。
具体例
k が大きいと書くのが面倒なので以下 k=2 とする。
を任意にとったとき、V上の2次形式 を以下で定義する:
このように定義すると、行列式の多重線型性と交代性、すなわち行列を列ベクトルを並べてものとみて、det を 2つの列ベクトルを引数とする実関数としてみたときの多重線型性と交代性によって、 が V上の 2次交代形式となっていることがわかる。
V の次元を 3とし、V の基底 とその双対基底 をとる。このとき
が の基底となることが証明できる。
の場合
この場合も dim M = 3 の例を書いてみる。
M の座標近傍 をとると、U の各元p に対し の基底として
がとれ、その双対基底として
がとれる。
よって上の結果により、 の基底として、
がとれることがわかるから、
と一意に書ける。
これにより、M 上の 2次交代テンソル場 は
と局所座標表示できる。