2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

双対性

§6.3「セールの双対定理とその証明」に入る。 今後、2つの線形空間の次元が一致していることを求められることがしばしばあるらしい。その判定方法の一つとして、以下の命題がある: は有限次元-線形空間とする。 の間に非退化双一次形式が存在すると、とは互…

完備一次系

コンパクトリーマン面上の因子と線形同値な因子で効果的(正)なもの全体の集合を と書き、これを因子の定める完備一次系と呼ぶ。 のとき、以下の対応は全単射となる: これを確かめてみる。まず左辺の元の形を確認(復習)する。 をの開被覆とする。の元を任意…

標準因子

リーマンロッホの定理から、コンパクトリーマン面上には0でない大域的有理型1形式が存在することがわかる。 任意の0でない上のもう一つの大域的有理型1形式をとると、ある0でない大域的有理型関数がありと表される。したがってこれは上の0でない大域的有理型…

因子

の近傍でと表されたとすると、だから。(極の場合も同様) 同様に考えて以下も成立。 因子の線形同値 コンパクトリーマン面上の因子が、ある上の大域的有理型関数にによって と表せるとき、とは線形同値であるといい と書く。演習問題があるのでやってみよう。…

コンパクトリーマン面と射影平面代数曲線

かなり間が開いてしまったので復習から。リーマン-ロッホの定理によって、コンパクトリーマン面上には定数でない大域的有理型関数が存在することが保証される。 上の有理型関数全体をとする。すると、とは 1:1に対応するそうだ。 そして は、上の有理型関数…

コンパクトリーマン面と射影平面代数曲線

コンパクトリーマン面上に定数でない大域的有理型関数が存在することを利用すると、が射影平面上の非特異代数曲線であることを示せるらしい。またその逆も言えるそうで、この後しばらくその証明が続くようだ。 コンパクトリーマン面上に存在が保証された定数…