2006-12-01から1ヶ月間の記事一覧

はじめての層係数コホモロジー(3)

昨日の続きで、 複素多様体M上の級複素直線束の全体はAbel群をなし、それは群として と同型。 上の命題の証明が目標。 整数の定数層 M上の正則関数(の芽)の層 M上の決して0をとらない正則関数(の芽)の層 の 3つの層を使って、を示すのが第一段階。これが示せ…

はじめての層係数コホモロジー(2)

下の命題の証明の続き。 複素多様体M上の級複素直線束の全体はAbel群をなし、それは群として と同型。 昨日書いたとおり、 整数の定数層 M上の正則関数(の芽)の層 M上の決して0をとらない正則関数(の芽)の層 の 3つの層を使う。 まず以下の命題を証明する。 …

複素直線束の場合 - はじめての層係数コホモロジー

階数1の複素ベクトル束、すなわち複素直線束の場合には、同値なものがどのくらいあるのか簡単にわかるという。 すなわち、M上の級複素直線束の全体はAbel群をなし、それは群として すなわちMの2次の整係数コホモロジー群と同型なのだそうだ。 その証明の第一…

同値な複素ベクトル束

多様体上の2つの複素ベクトル束 とが同値であるということを次のように定義する: 微分同相写像 で、各に対してファイバー が正則な線型写像になるようなものが存在するとき、複素ベクトル束は同値であるという。 M の一つの座標近傍をとり、 の(と同相な)フ…

複素ベクトル束

が多様体上の複素ベクトル束であるということを、大雑把に不正確にまとめてみる。 Eは局所的に (UはMの開集合)とみなせるもの。別の V に対しても局所的に とみなせるが、前者と後者のの部分の複素座標は一般に異なるものをとり、その間の「座標変換」をの元…

「微分幾何講義」再開

de Rhamコホモロジーが一通り理解できたので、2ヶ月ぶりに元に戻って「微分幾何講義」第2章 44ページから再開することにする。このテキストに 複素直線束の曲率形式はエルミート計量の取り方によらないド・ラーム類を定め、このド・ラーム類の倍は 第1チャー…

de Rhamの定理(3)

多様体の任意の(可縮な)開被覆 が与えられたとする。 この被覆から作られる k単体 に 上の微分形式を対応させる写像 で、の並べ換えに関して交代的に符号が変わるものの全体を と書く(k cochain)。これに対して2つの作用素 を下で定義することにより、らの 2…

ミステリー

アダム・ファウアー「数学的にありえない」なるミステリーを本屋で見つけ、さっそく買ってみた。昨年の東野圭吾「容疑者Xの献身」をはじめ、数学ミステリーが続くのかな。

de Rhamの定理(2)

Cechコホモロジーなるものを導入し、それがde Rhamコホモロジーと同型であることを示す方向に進む。何のために特異コホモロジーを定義したのかわからなくなった。

de Rhamの定理

多様体には 2種類の co-chain complex が定義できて、一つは de Rham complex もう一つは 特異co-chain complex 。特異chain上の積分を利用することにより、 となるそうだ。これからしばらく時間をかけてこの証明に挑む。

微分形式のC^∞特異k単体上の積分

多様体の微分k形式の、特異k単体 上の積分は以下で定義される: これを基に一般の特異kチェイン上の積分も定義される: Stokesの定義の証明途中に現れる計算に関するメモ 特異k単体に対し、 と定義した。そこで 微分(k-1)形式の積分 を計算するとき、 となる…

特異チェインの境界作用素

多様体Xの特異k単体に対する境界作用素を定義してチェイン複体を作りたい。 Xの特異kチェイン全体の集合を と表すとき、 を以下で定義する。まず特異k単体に対して、 と定義するそうだ。 ただし、は以下のように定義される。 これが意味がよくわかりにくいの…

ホモロジーおぼえがき

対 と が対応していると考えるのがコツのような気がしてきた。 例 は完全。 chain complexの短完全系列 からホモロジーの長完全系列ができる。 上でとすればで、のときだから だからある図形のホモロジーを計算するとき、その一部を一点につぶした図形と、つ…