1次微分形式

松本「多様体の基礎」第6章 §18 1次微分形式に入る。

 C^{r}多様体 M の点 p における接空間  T_p(M) の双対空間を  T_p^{*}(M) という記号で表して、これを M の p における余接ベクトル空間という。
M の各元 p に  T_p^{*}(M) の元  \omega_p を対応させる写像  \omega を M 上の 1次微分形式というそうだ。

最初にあげられている 1次微分形式の例は M 上の  C^{r}級関数  f: M \to \mathbb{R} の全微分 df である。
fの微分  (df)_p: T_p(M) \to T_{f(p)}(\mathbb{R}) の値域 T_{f(p)}(\mathbb{R})は、その元を  \mathbb{R}の座標y で  a(\frac{d}{dy})_{f(p)} と表したときに  a(\frac{d}{dy})_{f(p)} \Leftrightarrow a \in \mathbb{R} という対応により  \mathbb{R}と同一視することができる。
これにより  (df)_p (df)_p: T_p(M) \to \mathbb{R} とみると、 (df)_p \in T_p^{*}(M) とみなせるから、対応  df: M \ni p \mapsto (df)_p \in T_p^{*}(M) は M 上の 1次微分形式である。