正則点と臨界点(2)

 (df)_p が onto であるということは、ヤコビ行列  (Jf)_p の rank が n = dim N に等しいということなので、ある点 p∈M が正則点であるか臨界点であるかを調べるには、具体的に (Jf)_p の rank を求めればよい。臨界点とは高校の微分でも出てくる極値に相当するものらしい。

N の点で、fによる正則点の像となっているものを正則値といい、臨界点の像となっているものを臨界値という。

いくつか具体例の計算をした後、正則値 q の逆像  f^{-1}(q) がM の (m-n)次元部分多様体であることが証明される。この定理を利用して、いくつかの具体的な多様体の次元が計算できる。

テキストでは、Stiefel多様体  V_{m,k} というものが定義され、これが  mk - \frac{k(k+1)}{2}次元のコンパクト \mathbb{C}^{\infty}多様体であることが証明される。
これを応用して、m次直交群  O(m) \frac{m(m-1)}{2}次元のコンパクト \mathbb{C}^{\infty}多様体であることが証明される。