微分形式の積分

ドラームコホモロジー群については将来別の本で勉強することにして先に進む。

m次元多様体の最高次の微分形式、m次微分形式ωのM上での積分が定義できる。
細かい条件をはぶいていえば、M上のm次微分形式ωが
 \displaystyle \omega = f(x_1,\cdots,x_m) dx_1 \wedge \cdots \wedge dx_m
と局所座標表示されているとき、
 \displaystyle \int_{M}{\omega} := \int \cdots \int f(x_1,\cdots,x_m) dx_1 \cdots dx_m
と定義される。右辺は普通の重積分。右辺の積分範囲は ωの台を含む正方形領域。
上の定義は局所座標の取り方によって値が変わるように見えるが、実は座標系に依存せず決まることが後で示される。

連休で遊んでいるうちにアップしないまま「多様体の基礎」を読了。
簡単にメモだけまとめておく。

  • 上の微分形式の積分の定義であるが、正確には M が向き付け可能なときにうまく定義できる。多様体Mとその座標近傍系S のセットで向き付け可能の概念が与えられる。Sに属する任意の2つの座標近傍U,Vをとったとき、UとVが交わるならUとVが同じ向き、すなわち座標変換関数のヤコビアンが常に正のとき、Mを向き付けられた多様体と呼ぶ。
  • 向き付けられたコンパクトな多様体M上の最高次数の微分形式の積分は、Mの有限開被覆に従属する1の分割を用いて定義できる。
  • Stokesの定理:

 \displaystyle \int_{N} d\omega = \int_{\partial N}\omega