複素ベクトル束

 \psi: E \to M C^{\infty}多様体M上の複素ベクトル束であるということを、大雑把に不正確にまとめてみる。
Eは局所的に U \times \mathbb{C}^q (UはMの開集合)とみなせるもの。別の V に対しても局所的に V \times \mathbb{C}^q とみなせるが、前者と後者の \mathbb{C}^qの部分の複素座標は一般に異なるものをとり、その間の「座標変換」を GL(q,\mathbb{C})の元、すなわち q次複素正則行列で表すことができるものである。 U \cap Vに対応してq次複素正則行列を一つ与えるような写像  g_{UV}: U \cap V \to GL(q,\mathbb{C}) を複素ベクトル束 \psi: E \to M の変換関数と呼ぶ。
q=1のときは、変換関数 g_{UV} U \cap V上の0を取らない複素関数、ということになる。

新しい複素ベクトル束を作る

与えられた複素ベクトル束から新しい複素ベクトル束を作ることができる。
 \psi: E \to M の変換関数を  g_{UV}: U \cap V \to GL(q,\mathbb{C})
 \psi: E' \to M の変換関数を  g'_{UV}: U \cap V \to GL(q',\mathbb{C})

双対束 E^*

 \psi: E \to M の変換関数を  {}^{t}g_{UV}^{-1} に変えたもの。

テンソル E \otimes E'

 g_{UV} \otimes g'_{UV} を変換関数とする複素ベクトル束

 Hom(E,E')

 Hom(E,E') \simeq E^* \otimes E' であるので、双対束とテンソル積を組合せたもの。
変換関数は、 {}^{t}g_{UV}^{-1} \otimes g'_{UV}