特異チェインの境界作用素
多様体Xの特異k単体に対する境界作用素を定義してチェイン複体を作りたい。
Xの特異kチェイン全体の集合を と表すとき、
を以下で定義する。まず特異k単体に対して、
と定義するそうだ。
ただし、は以下のように定義される。
これが意味がよくわかりにくいのだが、k=2の場合を具体的に調べてみると、特異2単体 はの中に置かれた、を頂点とする三角形である。上の定義によるは、
となる。右辺を見れば、これらはそれぞれ三角形の辺,, となっていることがわかる。したがって、
は、それぞれ標準2単体(三角形)上のXへの写像を、三角形の「境界」である辺上に制限したものとなる。±の符号はうまいこと決めてやったものが上の特異k単体に対する境界作用素
の定義であると納得できる。