リーマンの写像定理(2)
問3(p116)
単位円板 B の自己同型で、Bの1点 a にたいして、条件 および を満たすものが唯1つ存在することを証明せよ。
まずこの問題を解いてみる。
は Bの点aを0に写す自己同型であり、
より
であるから、少なくとも一つは条件を満たすBの自己同型は存在する。
さても および を満たすBの自己同型だとする。を示したい。
とおく。S も B の自己同型であり、となるから、S は原点を固定するBの自己同型。したがって原点のまわりの回転であって*1
と書ける。これから
いっぽう合成関数の微分法より、
仮定より右辺の分母分子はともに正の実数だから、も正の実数。ところが だったから でなければならず、B において S(z) = z でなければならない。
よって
が成立する。