単位円板D(0;1)の自己同型群(3)
上半平面の自己同型群Aut(P)を求めるところからやり直し。
ひっかかっていたところをていねいに見直してみる。
まず (はリーマン球面)である。そして前にやったようには1次分数変換全体であった。
このことから P の解析的自己同型も1次分数変換に限られる(すなわち。これが本当かな?とひっかかっていた。たぶんあまりにも自明でテキストには注意すら書いてないのだろう。こういうところで時間を費やしてしまう。
の証明
を任意にとる。もしもだと矛盾が生じることを示そう。
このときだから g は1次分数変換で表せない。
gをもとに写像を以下のように定義してみる。
もしこのh がの解析的自己同型なら h は1次分数変換であるが g は1次分数変換で表せないので矛盾である。
h が全単射であることと双正則であることは簡単に示せるので、h は1次分数変換で表せることになり矛盾が判明した。
よって、Aut(P)の元は必ず 1次分数変換。なので、1次分数変換の中から P の自己同型を探せばよいことがわかった。
かと思ったが↑↑これは大ウソだということに気づく。h は実軸上で正則どころか連続ですらないからダメだ。こまった。
一致の定理を使えばいいのかなともちょっと考えてみた。P の自己同型 f が与えられたとき、の自己同型gで、gをPに制限したとき f に一致するものが必ず存在してくれればうれしいのだが...
もうちょっと考えよう。
PをPに写す変換は、∂Pを∂Pに写す変換の中から探せばよい?
Pの自己同型だけれども∂Pを∂Pに写さないものは存在するのだろうか???
Pの自己同型は正則なので直感的には∂Pの点で∂Pに写さないものがあると、その点の近傍でおかしなことになりそうな気はする。
ようやくテキストの流れが理解できた。上はいんちきなことがいっぱいあるから、改めて書き直すことにする。