単位円板D(0;1)の自己同型群(つづき)

まだしばらくかかりそう。
上半平面Pの自己同型群を利用して、単位円板 D(0;1)の自己同型群を求めるという手順らしい。
記号の整理と自己同型群を求めるまでのあらすじをまとめておく。

記号

上半平面
\displaystyle P=\{z|Im(z)\gt0\}
単位円板
\displaystyle B=D(0;1)=\{z| |z|\lt 1\}
上半平面から単位円板への解析的同型写像(Cayley変換という)
\displaystyle f:P\ni z \mapsto \frac{z-i}{z+i} \in B
リーマン球面
 \displaystyle S^2

あらすじ

目標は Aut(B) を求めること。
結論は
\displaystyle Aut(B) \simeq SU(1,1)/\{\pm I_2\}
だそうである(I_2は2次の単位行列)。
より計算しやすい上半平面Pの自己同型群を求めてから、これを元にCayley変換を介して求めるのがポイントらしいということがようやく解読できてきた。どうもテキストはなかなか理解しにくい。


Cayley変換 f を利用し、Aut(B)とAut(P)が以下の解析同型写像により解析同型であることを示す:
\displaystyle Aut(P)\ni \alpha \mapsto f\circ\alpha\circ f^{-1} \in Aut(B)


次に上半平面Pの自己同型群Aut(P)を求める。これは
\displaystyle G = \{z\mapsto\frac{az+b}{cz+d} \| a,b,c,d\in \mathbb{R}, ad-bc=1\}
となるそうだ。


次に単位円板Bの自己同型で原点Oを固定するものが、原点のまわりの回転 z\mapsto e^{i\theta}z, \theta \in \mathbb{R} に限ることを示す。(シュワルツの補題を使う)


Cayley変換 fにより単位円板の元0と上半平面の元 i が対応することから上半平面Pにおける i の固定部分群を求める。


ちょっと間があいたのであたまからやりおなす。