ルーシェの定理
偏角の原理の応用としての演習問題としてルーシェの定理が載っている。
問10
f,g は閉円板 を含むある開集合で正則。
とする(γは中心a、半径ρの円周)。
円周γ上で ならばにおける f+g の零点の数と f の零点の数は等しい。
これを利用すると、n次方程式はn個の解を持つことが簡単に証明できる。
証明
とおく。
偏角の原理より、に含まれるFの零点の数は
fの零点の数は
だから
を示せばよい。
より
であるので、
となる。そこで
とおいたとき、
となることを示せばよい。
より
であるから、z平面の円周γ上の点zに対してより
となる。よってとすると、上の点は1から半径1未満に位置し、は関数の零点0を含まない。そこでに関して偏角の原理を適用すると、
となる(証明終)。