積分のお勉強(4)
積分順序の変更
2変数関数 f(x,y) を [a,b]×[c,∞) 上の関数とするとき、
が成り立つための条件を考える。上式は
という意味なので、 とおくと、f が有限な範囲 [a,b]×[c,u] では積分順序の交換できるような関数とし、
という式変形ができれば成立する。すなわち
が成立すれば、広義積分の順序変更ができることになる。
これは、パラメータが n から連続なパラメータ u に変わったことを除けば前項と同じ形。これが成り立つための十分条件のうちの一つは、任意の u に対して が連続で、u→∞のとき が[a,b]上の連続関数 に x に関して一様収束することである。一様収束すれば、離散パラメータ n の場合と同様にして、任意のε>0 に対し、x によらないM>0 があり、u>M ならば が成り立つ。このとき
であるので、
が成立する。
ここまでをまとめると
- f(x,y) を x の関数とみたとき [a,b]で可積分
- f(x,y) を y の関数とみたとき [c,∞)で広義可積分
- が[a,b]で連続
- u→∞のとき が[a,b]上の連続関数 に x に関して一様収束する
という5つがこの場合の積分順序交換のための十分条件となっていることがわかった。3. が成立するための簡単な十分条件は、f(x,y) が [a,b]×[c,u]上で連続であること。
このとき f(x,y) を x の関数とみたとき [a,b]で可積分であり、y の関数とみたとき [c,u]で可積分。そこで2.の条件を仮定すれば 1.〜5. が成り立つことになるかな。