積分のお勉強(3)
項別積分(極限と積分の交換)
n → ∞のとき、 が f に一様収束することから、右辺→0。
ちなみに f は連続関数列の一様収束極限だから[a,b]で連続ゆえ[a,b]で可積分。
上では積分範囲を有界閉区間 [a,b] としたが、広義積分の場合にはどうなるか?
まず、[a, ∞) のときは、証明の中で(b - a)が有限であることを使っているから、上と同じ方法では証明できない。実際、反例があるという。
では、[a, b) の場合はどうか。
が[a,b)上で f に一様収束すれば、a < u < b なる任意の u に対し、[a, u] 上で一様収束するから、上の命題を使えば、
が成り立つ。そこで u → b - 0 とすると、
としてしまってよいのだろうか?なかなかよくわからないので整理してみる。
問題は、
が有界区間 [a,b)上で連続で、[a,b)上で f に一様収束するとする。また各n について広義積分
が収束するとする。
このとき、
- は存在するか?
- 存在するとしたら、は成立するか?
これを考えてみる。
1. がやっとわかった気がする。
まず各 は [a,b) で広義積分可能であるから、任意のε>0 に対して p, q が十分 b に近いとき
が成り立つ。また、p,q ∈ [a, b) より、[p, q]の範囲では
が成立している。すなわち n が十分大きければ
よって、
となる。よって
は存在する。
2. は上で書いたとおり、
が成り立つから、両辺を u → b - 0 とすると、
となる。(ここで 左辺の u → b - 0 の極限をとるとき、 と の順番を変えてもよいことを確認するのにずいぶん時間がかかってしまった)
問題は [a, ∞) のときだが、これはむずかしいのか今読んでるテキストには載ってない。杉浦「解析入門I」をみると、 が [a,∞)上で広義可積分のとき、
という条件があれば、極限と積分の交換ができるそうである。