2006-03-29 留数定理 複素解析 f が で正則であるとする。f を a のまわりでローラン展開したものが であったとするとき、の係数を、f の孤立特異点aにおける留数と呼び、 と書く。をD内の回路とする。このときfの上での積分は留数を使って となる。 これを証明するには、f(z)のローラン展開を上で積分してみてになることを示せばよい。 ローラン展開した級数はDで広義一様収束するから、D内のコンパクト集合上で一様収束するから、項別積分可能なので、 となるが、n= -1以外のときは なので、 となる。 ということは f の積分が回転数と留数が判れば計算できるということで、積分の計算にとても役に立つ。 留数定理 fがDから有限個の点を除いた領域D'で正則とする。D'内の閉曲線γがその内部にを含んでいると、 となる。 証明はCauchyの積分定理と、各のまわりのγの回転数が1であることから、比較的簡単にできる。これが普通の教科書に載っている留数定理。実積分の計算に応用するだけならこれで十分? 高橋「複素解析」ではγがもっと一般的な形での定理が示されている。γが交差したり、の周りを何回も廻ったり逆向きに廻ったりしても成り立つ形で。