逆関数定理の証明(つづき)
は級で を満たし、f の点0におけるヤコビ行列 が単位行列になる場合の逆関数定理の証明のポイントメモ。
一般の場合はこの場合から容易に導ける。
であるから
である。
が十分 に近いとき、はに十分近い。なぜならば f は 級なので
は で連続であるから。
このことを使うと、を半径rの十分小さな を中心とする開円板としたとき、
は単射であることを証明できる。
に対し を示せれば、f は単射である。
を示せばよいが、そのためには
と f を成分表示したとき、どれか一つの について
を示せばよい。
とを結ぶ線分はに含まれている。その線分を
とする。
この線分上でがとる値を
とする。このとき、
である。すると、
となる。このように積分を利用するのがテクニックらしい。
ここで、とした。
が単位行列の近傍に含まれることからヤコビ行列の各成分はにとっても近いことを使うと、が示せる。