2007-02-26 複素トーラスとP^2内のある3次曲線 代数曲線論 は の正則写像で、 の 4点を分岐点として持つ。 はで広義一様収束するからこれを項別微分できて、 となる。 の の近傍におけるローラン展開を用いて、面倒な計算を行うことによりという微分方程式が成立することがわかる。ここで は以下のように定義される: 上の微分方程式を踏まえて、以下のような から への写像を考えるのが面白いらしい。すると による1次元複素トーラスの像 は、2次元複素射影空間内の以下の3次曲線への同型写像となる。これを示すには、 が全単射であることと、 が に対して単射であることを証明すればよい。 が単射であることの証明 これを証明するのにの局所座標として、同次座標だの非同次座標だの、目的に応じて使いやすいものを使って計算を行う。慣れないと混乱する。が単射であることを証明するときは、に対応してという非同次座標を使う。これを使うと、非同次座標でと表されるがと表されることになる。「多様体の基礎」で学んだように の座標表現はヤコビ行列となるから、となる。これが任意ので単射であることを示せばよいが、そのために単射でないと仮定すると、となる。このとき、をの周りでローラン展開すると、ゆえにでのの分岐指数は3以上となり に矛盾するので は単射。 以上で§4.2読了。