双対性

§6.3「セールの双対定理とその証明」に入る。
今後、2つの線形空間の次元が一致していることを求められることがしばしばあるらしい。その判定方法の一つとして、以下の命題がある:

V, Wは有限次元\mathbb{C}-線形空間とする。
V, Wの間に非退化双一次形式

 \langle,\rangle : V \times W \rightarrow \mathbb{C}

が存在すると、VWは互いに双対空間とみなせる。とくに

 \mathrm{dim}V = \mathrm{dim}W


2つの線形空間  H^1(X,\Omega_X^1(-D))\simeq H^1(X,\mathcal{O}_X(K_X - D)) H^0(X,\mathcal{O}_X(D))の間の双一次形式を構成し、上の命題を適用することでこの空間の次元が等しいことを示すのが次の目標。
昨日知った標準因子や忘れかけている微分形式や層に関していろいろ復習しながら、その双一次形式の構成の理解を試みる。