複素トーラスと3次曲線

§2.2「複素トーラスと3次曲線」に入る。
この節の目標は、複素トーラス  \mathbb{C}/\Omega と複素射影空間 \mathbb{P}^2内のある非特異3次曲線が、複素多様体として同型であることを示すことにあると思われる。


あいかわらず論理展開と式変形は超丁寧。局所座標を使っての具体的な計算も、はしょった表現をせずくどいくらい定義にそのまま従った形式で計算過程を見せてくれる(ただし1変数関数論の知識は容赦なくはしょって使うので注意)ので、多様体の初心者にはありがたい。
反面、一行一行が丁寧すぎて、今、何の目標に向かって何をやろうとしているのかを見失う可能性がある。この本を読むときは、まずセクション全体をななめ読みしてあらすじを把握してから、しかるのち精読するのがよさそうだ。