正則ベクトル束の標準接続(まとめ)

昨日の記事を読み直してみると、最後の積分のところがかなり怪しそう。
あまり同じところにとどまっていてもつまらないので、そろそろ次に進みたい。

テキストの「2.2.3 正則ベクトル束の標準接続」のまとめ

  • 正則ベクトル束 E \rightarrow M にはエルミート計量 hから定まる線形接続 \nablaが一意に存在する。これを標準接続とかエルミート接続と呼ぶ。
  • 階数が一般のときの正則ベクトル束の接続に関するはなしは難しいが、階数1 の場合(直線束という)には計算がわりと簡単になる。
  • 正則ベクトル束の接続形式は  \theta = h^{-1}\partial h、曲率形式は  \Theta = \partial\theta
  • 以下正則直線束 L \rightarrow Mの場合のはなし。
  • 正則直線束では、ファーバー次元が1で変換関数が複素数となるため計算が簡単になる。
  • 曲率形式は  \Theta = - \partial \bar{\partial} h
  •  \displaystyle c_1(L,h) := \frac{i}{2\pi} \Thetaは実閉微分2形式を定める。これをhに関する第1Chern形式という。
  •  c_1(L,h) の de Rham類 [c_1(L,h)] hの取り方によらずに決まる。これを c_1(L)で表し L の第1Chern類という。


以下はこの後出てくる話だが、難しいのではしょることにする。

  •  Mをn次元コンパクト複素多様体としたとき、その標準束 K_M := \bigwedge^n T^{'*}M の第1Chern類を、M の第1Chern類と定義する。
  • rank rのコンパクト複素多様体E \rightarrow Mの曲率形式 \Thetaは r次の複素正則行列と見なせるが、その特性多項式の係数を第i Chern形式、そのde Rham類を第i Chern類と呼ぶらしい。