リーマン面

第5章§4「リーマン面」に入る。
テキストではこの§は

詳細に立ち入ることなく、この概念についての解説をこの節では試みる。

とあり、証明抜きでいろいろな面白そうな話題が載っているので、気楽にむずかしいところは流しながら読み進めていくことにする。

リーマン面とは複素1次元複素解析多様体のことだそうだ。「多様体の基礎」でやった可微分多様体は座標変換が C^{\infty}級関数で表されるようなものだったが、複素解析多様体とは座標変換が正則関数で表されるもののことらしい。

定義をきちんと書いておく。

X がリーマン面(複素1次元複素解析多様体)であるとは、
X の開被覆  (U_{\alpha})_{\alpha \in A} すなわち  X = \cup_{\alpha \in A} U_{\alpha} となるものが与えられていて、
(1) 各 U_{\alpha} \mathbb{C}上の開集合への位相同型を与える U_{\alpha} 上の複素数値関数  z_{\alpha}を持つ。
(2)  U_{\alpha} \cap U_{\beta} \neq \phiならば  z_{\beta}\circ z^{-1}_{\alpha}: z_{\alpha}(U_{\alpha} \cap U_{\beta}) \to z_{\beta}(U_{\alpha} \cap U_{\beta})は正則で、その導関数は至る所0でない*1
の二つの条件を満たしているものをいう。

リーマン面は臨界点を持ってはいけないらしい。と思ったが丸っきり勘違い。臨界点は多様体間の写像に関する概念だった。すっかり忘れてる。

*1:この条件はC^{\infty}多様体にはなかったな。等角写像従って単葉正則になるために必要な条件のようだ。