留数定理(2)
復習
しばらく時間が立っているので忘れていることが多い。3章の内容で必要なものを復習としてメモしておく。
一般の回路に関する留数定理
を領域とする。Dにおいて関数fは有限個の孤立特異点を除き正則とする。
内の回路(滑らかな閉曲線の有限和) が を通らず、しかもが D内で0にホモロジー同値ならば、以下が成り立つ:
D内で0にホモロジー同値な回路に対して
が成り立つ(Cauchyの積分定理)。そこでこれを利用すべく0にホモロジー同値な回路を作ることを試みる。
各孤立特異点に対し十分小さいをとり
とする。は中心で半径の円周を作る。複素平面はハウスドルフ空間であるから各は交わらないようにとることができ、また回路もこれらに交わらないようにできる。
簡単のため孤立特異点が1個、m=1の場合を考える。この場合はのまわりを回まわる。たとえば2回まわったとすると としてやると、はのまわりを2回まわって逆向きに2回まわるから、となりはD内で0でホモロジー同値となる。そこでCauchyの積分定理が使えて
が0となるから
となる。
これと同じようにして孤立特異点がm個のときは
という回路を作ると、これはD内で0にホモロジー同値となり、一般の留数定理が証明できる。