セールの双対定理の証明(5)
昨日定義したとを使って
と定義する。このとき実は、
となっている。これが証明できるとが全射であり、コンパクトリーマン面に対するセールの双対定理の証明が完了したことになる。
とはが成り立つことなので、まずはを計算してみるところから始まる。
とおくと と書け、である。また より 、。したがって
ただしとおいた。これは効果的因子()。
上式より すなわち
である。
第5章で確認したように因子 に関して
という短完全系列ができた。これから
という完全系列が誘導されるが、ここでは摩天楼層だったから 。
したがって上の は全射。
線形代数の基本的な定理より、の双対写像は単射となる:
上図より となる。そこでこの両辺による の像を計算すると、左辺の像はであり、右辺の像は、
この等式は後で利用する。