留数写像
まず記号の確認。
上の正則1形式の集合。 | 正則関数により局所的にの形に表される。 | |
上の級(1,0)形式の集合。 | 級関数により局所的にの形に表される。 | |
上の級2形式の集合。 | 級関数により局所的にの形に表される。 |
次の層の系列は完全列となる:
上の確認。
層の系列が完全であることの定義は、ストークの系列が完全であることだった(5章)。したがって以下の系列の完全性を示せばよい:
ストークの定義であるが、以下のとおりであった:
の部分の完全性は、が単射であることを示せばよい。が を満たしているとする。この式の意味は、ということ、すなわち点の十分小さな近傍があってその上でを意味する。上は正則だから、の元として が成立。すなわちは単射//
の部分の完全性はDolbeaultの補題による。
の部分の完全性は、を示せばよい。
まずの確認:
とする。の十分小さな近傍上でがあってである。の局所座標をとすると上の正則関数を使って と表せる。したがって
∴。よって。
逆にを確認する。
とする。はの近傍上で級関数によってと書ける。
ゆえに上で(Cauchy-Riemann)よりは上の正則関数。よって。このときこので決まる に対して
より。よって。