リーマン-ロッホの定理(2)
のとき
より、示すべき式の左辺は、
はの種数だから。
これは上大域的な正則関数は定数のみであることから 1 となる。よって左辺は
いっぽう だから
が成立する。
のとき
のときまでリーマン-ロッホの定理が正しいとして、のときの成立を示す。
因子に対する(次数)の定義から、であるような因子は
と書ける。ただし各は の点で同じ点の重複も許して書いている。
そこで次数がの任意の因子 をとると、それは上のような形のを使って
と書ける。これを利用すると(5章で確認したように)、以下のような短完全系列ができる:
この短完全系列から以下のコホモロジー群の長完全系列が誘導される:
帰納法の仮定によれば
となるから、特に は有限であることがわかる。
上の長完全系列の
の部分を見る。
の次元は有限である。また完全性からは全射。だからの次元も有限。
また上の長完全系列の
の部分を見ると、が単射であることと、の次元が有限であることから、の次元も有限。(でいいのかな)
これより下の長完全系列に現われる複素ベクトル空間はすべて有限次元である。
有限次元複素ベクトル空間の作る完全系列に対して、その列を作るベクトル空間の次元の交代和を作ると0であるから以下の式が成立する:
帰納法の仮定から
だったから
となり、次数dのときも成立する//