コンパクトリーマン面の種数の有限性(2)
のimageの次元を求めるのが次の目標。
であるから、の任意の元は、
の元を代表元とする同値類で表される。
そこではどんなものなのかを調べてみる。
の開被覆
から任意に2つの
で
を満たすものを取り出す。
は各
上の正則関数
を一つずつ選んで並べたものに相当する:
但し、各はco-cycleであるから
を満たす。
ここで各は開円板
上の正則関数である。開被覆
は
の細分で
を満たす。これを使うと は
上2乗可積分となる(
の局所座標を
と書いた):
そこでを
*1の元とみなすことができる。
は必ずしも
上では2乗可積分ではないので、
という細分を考えるのが一つのポイントらしい。
はヒルベルト空間である(テキストではこれを示すのに延々と準備が続いた)ので、ヒルベルト空間の性質をうまく使うように持ち込まんとする。
つづき
の有限次元部分空間
で次の性質を持つものが存在したとする:
に対して、ある
があり
が成立する。
(等式は内の式)
このとき
となるそうだ。は明らか。
が成立するか確認してみる:
とすると、ある
があり
となる。このに対して上のような
の存在を仮定すれば、
あるがあり
が成立。
このときと
は同じコホモロジー類に所属するから、
となる。
よってより
が成立する。
が有限次元で
が同型だから
も有限次元という理屈となる。
つづく。