リーマン面上の層の例

 Xリーマン面とし、 U Xの開集合として、 U Xの開集合全体を動くとする。
このとき以下はすべて層となる。ただし制限写像は関数の自然な制限で定義する。

 \cal{O}_X : U \mapsto \cal{O}_X(U) U上の正則関数
 \cal{M}_X : U \mapsto \cal{M}_X(U) U上の有理型関数
 \Omega_X^{1} : U \mapsto \Omega_X^{1}(U) U上の正則1形式
 \cal{A}_X^{n} : U \mapsto \cal{A}_X^{n}(U) U上の C^{\infty}級 n形式
 \cal{A}_X^{p,q} : U \mapsto \cal{A}_X^{p,q}(U) U上の C^{\infty}級 (p,q)形式
 \mathbb{C}_X : U \mapsto \mathbb{C}_X(U) U上の複素数値局所定数関数


層になるための条件のうち、まず前層になることは定義を一つずつ確かめればよい。
層になるための条件のうち(S1)が成立することは、第2章でやった正則写像の剛性などによりわかる。
層になるための条件のうち(S2)が成立することは、どうやらリーマン面 Xは第2可算公理を満たすと定義していることからパラコンパクトであり、したがって任意の開被覆が 1の分解を持つことを使えば示せそうである。