コンパクトリーマン面の位相分類定理(2)

昨日の記号を使う。

三角形分割可能な連結コンパクト向き付け可能な曲面は、いずれかの \Sigma_{\pi}(\piは0以上の整数)と同相。
これはトポロジーの定理でここでは結果のみ利用する。

コンパクトリーマン面は三角形分割可能だそうで、これは将来第6章で証明される予定とのこと。
またコンパクトリーマン面はその実座標変換のヤコビアンが正であることを前に確認した。従って向きつけ可能。
以上のことから、コンパクトリーマン面に上述のトポロジーの定理が適用できて、任意のコンパクトリーマン面Xはいずれかの \Sigma_{\pi}と同相であることがわかる。


例として、昨日見たとおり超楕円曲線
 \displaystyle C_{2g+2} := \( y^2 = (x-a_1)\cdots(x-a_{2g+2})\)
オイラー数は  2-2g
いっぽう 超楕円曲線はコンパクトリーマン面なので、上の結果からどれかの \Sigma_{\pi}と同相。
オイラー数が  2-2gであるのは  \Sigma_{g}なので、
 \displaystyle C_{2g+2} \simeq  \Sigma_{g}
である。