コンパクトリーマン面の位相分類定理
任意のコンパクトリーマン面はいずれかの(は0以上の整数)と同相であることが述べられている。
: 2次元球面
:トーラスの表面
:穴の2個開いたトーラスの表面
:
:穴の個開いたトーラスの表面
このテキストではトポロジーの基礎は既知としており証明なし。
上を事実として認めることにより、§4.4で定義された超楕円曲線
が と同相であることが示せるようである。これを示すことが問題4.20 となっている。
のオイラー数が であることを
という事実に着目して示せるそうである。どうやって示せるのか、しばらく考えてみることにする。
ちゃんと理解すると回り道になってしまいそうなので、とりあえず直観的な理解ですましてしまうことにしたい。
ちょっと考えてみたら、次のような理解でつじつまが合いそうだが、どうだろうか。
まず の場合を考えてみる。このときは となって
という超楕円曲線を考えることになる。
はの2点を分岐点とする2重被覆写像である。
そこで とは分割されそれぞれはと同相であるようにできる。のオイラー数は2 ということから、のオイラー数もそれぞれ 2。
ここで の分岐点は異なる2点であるから、の共通部はの2点のみ。したがってとそれぞれを3角形分割したとき、それらは 2点のみで交わる。すなわち3角形の頂点2つだけを共有する。
そこで、 のオイラー数は、のオイラー数とのオイラー数の和から重複する頂点2つ分の 2を引いた値となる。
だから のオイラー数は、。
以下、 と増えた場合も同じように考えて、今度は分岐点は異なる(2g+2)点であることから、のオイラー数は
になるのだろう。