射影曲線

§4.3「アフィン平面曲線」§4.4「超楕円曲線」と一応読み終えて§4.5「射影平面代数曲線」に入る。
§4.4で見たようにアフィン曲線に無限遠曲線を付加して超楕円曲線というコンパクトリーマン面を得ることができた。
これをもう少し一般化すると、§4.5「射影平面代数曲線」の主題になるようだ。すなわちアフィン曲線を同次化(射影化)することで、m次同次多項式で定義される \mathbb{P}^2の部分集合が定義できて、これを m次射影平面代数曲線、略して射影曲線と呼ぶ。

 \displaystyle F_m := F_m(X,Y,Z) \in \mathbb{C}[X,Y,Z]
を 0 ではないm次同次多項式(すなわち各項がX,Y,Zのm次式であるような多項式) としたとき、

 \displaystyle C := \{[x:y:z] \in \mathbb{P}^2 \| F_m(x,y,z) = 0 \}

で定義される Cがm次射影曲線。

 \displaystyle \frac{\partial F_m}{\partial X}(P) = \frac{\partial F_m}{\partial Y}(P) = \frac{\partial F_m}{\partial Z}(P) = 0
を満たす P \in \mathbb{P}^2 を射影曲線 C特異点という。
特異点を持たない射影曲線を非特異な射影曲線という。


§4.3「アフィン平面曲線」で得た結果の一つ

アフィン平面曲線 Cが非特異なら、 Cの各連結成分は \mathbb{C}^2の閉部分多様体であり、とくにリーマン面である。

をよりどころにすると、非特異な射影曲線はコンパクトリーマン面になることが示せる。