超楕円曲線(2)

 a_1, a_2,\cdots,a_{2g+2}を相異なる2g+2個の 0でない複素数とし、
 \displaystyle C_0 := \( y^2 = (x-a_1)(x-a_2)\cdots(x-a_{2g+2}) \)
で定義される \mathbb{C}^2内の曲線を考えている。
アフィン曲線 C_0上の点のx座標を対応させる射影 \pi_{0}によって
 \pi_0:\displaystyle C_0 \to \mathbb{C}
なる2重被覆写像が定義できた。
このとき  C_0は連結だそうで、それゆえ C_0リーマン面となる。
 C_0が連結となる理由は、 C_0の任意の2点P,P_0が結べて弧状連結であるから。 \pi_0(P) \pi_0(P_0)を結ぶ \mathbb{C}内の路の  C_0へのリフトを考えれば明らからしい。


さらに \mathbb{C}無限遠点を付加して \mathbb{P}^1を作ったのと同じようにして、
 \displaystyle C_{\infty} := \( v^2 = (1-a_1 u)(1-a_2 u)\cdots(1-a_{2g+2}u) \)
という \mathbb{C}^2内の曲線を考え、 C_0 C_{\infty}を、

 (u,v) = (\frac{1}{x},\frac{y}{x^{g+1}})
という双正則写像で張り合わせると、コンパクトリーマン面 C = C_0 \cup C_{\infty}ができる。
 Cがコンパクトであることは、問題2.10(コンパクト⇔任意の点列が収束部分列を持つ)の結果を使えとのこと。


こうして得られた コンパクトリーマン面 C
 \displaystyle y^2 = (x-a_1)(x-a_2)\cdots(x-a_{2g+2})
で表される超楕円曲線と呼ぶそうだ。
g=1 の場合を考えると§4.2でやった \wp関数で表される 1次元複素トーラスなども超楕円曲線の一つの例ということになる。