1次元複素トーラス上の関数

少し間が空いてしまった。まとまった自由な時間が欲しい今日この頃。

さて、1次元複素トーラス  E = \mathbb{C}/\Lambda上の有理型関数を考える。
 E上の有理型関数は、 \mathbb{C}の周期 \Lambdaの2重周期関数となる。
 E上の有理型関数を  f: E \to \mathbb{P}^1 という正則写像とみなすと、 f はコンパクトリーマン面 Eから \mathbb{P}^1への正則写像となる。これから大域的に f写像度が定まる。これを利用すると、

E上一点にのみ 1位の極を持ち、他では正則である有理型関数は存在しない。

が証明できる。
このテキストでは以下のように証明している。
 f^{-1}(\infty) = {P}(1点) であり、仮定より  ord_P(f)=1であることから  deg f = 1。よって  E \simeq \mathbb{P}^1
しかるに、 E上には 0 でない大域的有理型1形式 dzが存在し、 \mathbb{P}^1上の大域的有理型1形式は 0 のみなので矛盾。
留数定理を使って証明するケースが多いようだが、本質的には同じこと使っているのかな。