セールの双対定理の証明(2)
前のつづき。具体的に
を計算する作業を行う。
を基に、大域的1形式をうまく作ってGreenの定理を使えるように持っていくのがコツらしい。
点の開近傍を因子のサポートと交わらないように十分小さくとる。をの局所座標でとなるようなものとする。
とおくと、 は の開被覆となるが、このに関するチェックコホモロジーを利用して、を計算する。
は包含写像
によって の元に写される。ところが であり、であったから、 とみなせる。
を利用すると、は上の級(1,0)形式であって、 の元であるから、上、
を満たすような 上の級(1,0)形式および 上の級(1,0)形式が存在する。これから、上
ここで左辺は上の級(1,0)形式、右辺はで定義された級(1,0)形式。ほんとはこの2つを貼り合わせて、上大域的な 級(1,0)形式を作りたい。しかし、で定義されていない。そこでまず上の2つを貼り合わせ、上の 級(1,0)形式を作っておき、さらにこれを元にしてうまいこと全体で級な (1,0)形式を作るようにもっていく。
これをのごく小さい近傍上でをとり、の外ではをとる級関数が存在する(そのような関数は1の分解を用いて作れる)。これを使ってと定義する。は上でをとり、の外ではをとる級関数であり、これを利用して級につなげることにより、を全域で定義された級な (1,0)形式とみなすことができる。
また、をで写すことによって
が上で成立。よってとは貼り合わされてでを満たすものを定める。
上で作ったをで写すと、上の級2形式ができる。
またをで写すと、上の級2形式が得られる。
このとき
は全体で定義されている。についてはが上1であるので、上、。だったからはで級な2形式。そこで上と定義すれば、は全体で級に延長され、さらに全体に延長される。
このようにしてをの近傍で0な級(1,0)形式の外微分と、の近傍外で0で級(1,0)形式の外微分に分割することがポイントのようだ。
以上でを計算する準備が整った。定義により
であるが、
グリーンの定理(ストークスの定理)をうまく適用できる条件にするために切った張ったを行ってたいへん技巧的である。
以上からが言えた//