層化
前層の層化でつまづく。むずかしい。
前層であって層の条件 S1(一致の原理)とS2(貼り合わせの原理)の両方を必ずしも満たさないようながあったとき、各点におけるストークからその元(芽)をかき集めてくることにより層を作ることができる。この層をと書くそうだ。具体的には以下のように構成できる。なかなかむずかしい。
前層が与えられると、の任意の元をもとに、各におけるストークの元が決まる。すなわちを代表とするような同値類をとればよい。このをという記号で表す。このは上の式の条件を満たし、の元になっていることが確かめられる。そこで前層から層への準同型を以下で定めることができる。
が層ならは同型となるそうだが、(S1)あるいは(S2)が満たされなくて層にならないと同型にはならず、の一部の元が層であるためにはマズイふるまいをするらしい。
しかし、ストークをとると
は必ず同型となる。
対 を前層の層化という。
層化の普遍性
上のように前層の層化を定義する。
そして前層からある層への準同型があったとする。このとき準同型
で
を満たすものが一意に定まる。
その証明メモ:
上の図式よりが誘導されて、
という可換図式ができる。
次に上の図式で右の縦の列をみると、これは同型である。なぜなら、まず
が同型であること。そしてとはともに層なので、 が同型であることとが同型であることは同値(例題5.13 p108)。
したがって が存在するので、これを使うと、
が定義できる。これにより が一意に定まる。