1次元複素トーラス

4章「いろいろなリーマン面」に入った。この章では具体的な大事なリーマン面がいろいろ出てくるらしい。


§4.1「複素多様体」では一般次元の複素多様体の定義を行い、その閉部分多様体が定義された。コンパクトリーマン面Xから複素多様体Mへの正則写像\varphi単射であって、さらにXの各点Pにおいて(d\varphi)_P単射なら  \varphi:X \to Mは埋め込みであることを確認した。
このとき \varphi(X)Yの閉部分多様体で、リーマン面の構造を持つ。これが§4.1 の内容であった。

また問題4.4(p70)により、特異点を持つ\mathbb{C}^2内の複素曲線は閉部分多様体になれないらしいことを知った。


続いて§4.2「1次元複素トーラス」に入る。二つの一次独立な複素数\omega_1,\omega_2で張られる階数2の格子
 \displaystyle \Lambda := \{n_1\omega_1 + n_2 \omega_2 | n_1,n_2 \in \mathbb{Z}\}
を定義。さらに
 \displaystyle E := \mathbb{C}/\Lambda
という \mathbb{C}の加法群としての部分群を定義した。これにリーマン面の構造を入れることができるらしく、これを「\Lambdaを周期とする1次元複素トーラス」と呼ぶそうだ。これからそれを確認する。