摩天楼層(2)

摩天楼層のもう一つの例。
 Xリーマン面とし  P_i (i=1,\cdots,n) X上の異なる点とし、それぞれの点に正整数 d_iが付随しているとする。
 P_i X上のある関数の零点や極を想定しているらしい。各 P_iの近傍の局所座標を z_iとして、 X上の開集合 Uに対し、

 \displaystyle \cal{S}(U) := \oplus_{P_i \in U} \mathbb{C}\{z_i\}/\(z_i^{d_i}\)

を対応させるような  \cal{S}を考える。
制限写像については、 V \subset Uのとき、

 \displaystyle \cal{S}(U) \ni \(f_i(z_i)\)_{P_i \in U} \mapsto \(f_i(z_i)\)_{P_i \in V} \in \cal{S}(V)

と定義すると、これも摩天楼層となっている。
この層を
 \displaystyle \cal{S} = \oplus_{i=1}^{n} \mathbb{C}\{z_i\}/\(z_i^{d_i}\)
という記号で表す。

 \mathbb{C}\{z\} という記号は、 zのベキ級数で収束半径が有限なものを表すらしい。 \(z^{d}\)で割っているのは、とりあえず素朴に z多項式の計算をして、 z^{d}というベキが現れたらそれを 0 に置き換えて計算すると理解しておけばよいか。